2014年8月16日土曜日

河童 ~くらいくらい電子の森に・・・ 前日談~

 ある夏の日、東京に憧れる中学一年生の少女、流迦は東京から来たという青年と出会う。
 品の無い冗談を平気で飛ばす青年を流迦ははじめ罵倒するが、妙に素直で憎めないと感じてしまう。なにより、流迦の才能を手放しで賞賛してくれる男性というのは流迦にとって新鮮な存在だった。
 そんな青年に対して、流迦は父との確執と己の内心を思わず吐露してしまうが、青年と意見が対立してしまう。正論を放つ青年に対して頭に血を上らせた流迦は感情のままに言葉をぶつけてしまう。すぐに悔やんで謝罪しようとするも、邪魔がはいり、結局流迦は青年に対して謝ることができなかった。





 気丈で自分を偽ることを常としているけれど、芯は素直で可愛い女の子、流迦がとても魅力的な小説です。
 それに、主人公の心の動きを読者に伝える表現がお見事!
 たった一日のことだけど、流迦にとっては凄く印象に残る一日だったのだろうなぁ、というのがよく伝わってきます。

 挿絵はなろうにおいては賛否両論でしょうけれども、この作品にあっては作品の舞台の雰囲気が伝わってきて良い使い方だと思います。
 のどかな田舎で、朗らかな友達や純朴な少年との心温まる交流に、東京から来た青年という異物が投じられてどう変化していくのか、先を読むのが楽しみな小説です。

 とまぁ、ここまでほのぼのとした感想を書いてきましたが、この小説はそこかしこからダークな雰囲気が漂ってきます。
 さもありなん、タイトルに前日談とあるように、本編となる小説の番外編なんですね。その本編の小説はジャンルがホラーです。そしてあらすじに書かれた「隔離病棟に幽閉された狂った天才 狭霧流迦。彼女が発狂する少しまえの暑い夏の日の物語」という一文。

 いやな予感しかしませんね!

 そういう方向でも続きが気になる、『河童 ~くらいくらい電子の森に・・・ 前日談~』、おすすすめです。

 別サイトからの転載ということで、更新速度や分量にも期待できますし、本編の方は22部約26万字で完結済とほどよい分量なので、番外編に触れてみて面白いと思ったら本編を読んでみてはどうでしょうか。




作品ページはコチラ↓
http://ncode.syosetu.com/n1658cg/

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(レビューは基本一日一本なので書けるかどうかわかりませんが)
http://naroureview.blogspot.jp/2014/08/blog-post_13.html

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